飲酒運転撲滅の研修会②「日高の遺書」

 研修会の最後に、警察官の講師の方は、「日高の遺書」を読み上げられました。

 これは、昭和45年の出来事です。38歳の男性が飲酒運転で正面衝突をし、相手も自分も亡くなるという交通事故を起こしました。この時、この男性の妻は3歳と5歳の子供を抱えており、結局、親子心中を図らざるを得なかったそうです。

 少し長いですが、読んでみてください。

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 私は、もう生きていく根気も力もなくなりました。

 署長様、ご承知のように、私の夫も死にました。そして、相手の人も死にました。夫は自業自得でありましょうから、いかように責められても仕方ありません。

 でも、後に残った私と子供2人にまでその責任はあるのでしょうか。私に財産がたくさんあれば、ご遺族の方の気の済むように弁償したいと思います。いくらお金をあげたからといって、亡くなられた人の命を元通りにすることはできませんが。

 でも、私には何もありません。それでも将来、家を建てるために貯金していたお金が97万円ほどあったので、私はこのお金と、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、洋服ダンス、時計、指輪、夫の洋服等を売り、その代金23万円と併せて120万円をお見舞い金として、また、夫の退職金をも全部差し上げる条件で、ご遺族の家に持って行ったのでございます。

 ご遺族のご両親は「こんな少額では納得できないからもっとお金を出しなさい」と言われましたので、私は、「このお金が私の全財産ですから、これ以上のお金を調達することはできません」と幾重にも私の事情を申し上げました。

 ご遺族のご両親は「親戚回りをしてでも賠償金を出しなさい」と言われます。でも夫の親戚も私の親戚も、決して余裕のある生活をしていませんので、膨大な金額を調達することは到底できないのでございます。

 すると、次は、私に「働いて毎月1万円ずつ弁償しなさい」と言われます。私のような学歴も手に職もない人間に、何万もする給料を払ってくれるところがありましょうか。例え就職することができたところで、弁済金と家賃を払ってしまうと生活費まで回すことはできません。

 どうやって、親子3人で生活すればよろしいのでしょうか。罪のない子供達に、近所の子供達と同じように生活させてあげたいと願うのは、母として当然のことではないでしょうか。

 子供達は、「お父さんはどうしたの」「なぜテレビが無くなったの」「テレビが見たい」とせがみます。

 子供達は今、すやすや眠っております。これからお父さんの元に行けるとも知らずに。
 
 署長さん。この小さな子供の命を奪う母を馬鹿な女とお呼びください。でも子供を残したなら、後の子供達の生活を考えると哀れでなりません。親子3人でお父さんの元に参ります。

 ご遺族のご両親のおっしゃることは決してご無理なことではありません。私の夫さえ酒を飲まずに運転していたならば、決してご子息を死なせずに済んだのでございます。

 私と子供2人の命と引き替えに夫の罪をお許しくださるよう、ご遺族のご両親さまにお取り計らいくださりますようお願いを申し上げます。


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 いかがでしたでしょうか・・・。胸が痛くなりますね。

 お互いに、お酒を飲んだら、絶対にハンドルを持たないことを、固く決意しましょうね!
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ふじいりつ子

Author:ふじいりつ子
山口県議会議員

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