長野山の山開き③ 県議に立候補した時のこと

私のルーツとなる場所です。 長野山に近づくにつれ、家が徐々に少なくなってきます。「上渋川」が一番奥の地区になりますが、この集落に、とても印象に残っている家があります。

 10年前、私が初めて県議に立候補した時、この家にお住いの高齢のご夫婦(大正生まれ)に、亡き夫の時からとてもお世話になっていましたので、御挨拶に伺いました。

 チャイムを押すと、玄関にお二人揃って出てこられ、私の顔を見るなり
「まこさんが亡くなったんだってねえ。かわいそうに。応援するからしっかり頑張りなさいね」
と温かい言葉をかけてくださいました。

 そして、裏の畑の方を指しながら
さっきから、裏の柿の木にクマが来てのォ!
と言われます。

 「大丈夫ですか」
と尋ねると、
「まあ、いけんようになったら、その時は頼むいね
と事もなげに言われます。

このあたりにミツバチの巣がありました。  しばらく外でお話をしていると、家の前の大きな木の幹に、ミツバチの巣があり、ハチがブンブンと周りを飛んでいます。私は、
「あの蜂蜜を採りに、クマが来るんじゃないの?巣を除けたら?」
とご主人に言いました。

 ご主人は、
「いいや。あのミツバチはわしがずっと前から飼っているンじゃ。わしのもんじゃ(自分のものだ)!除けるわけにはいかない」
と即答されました。

 この時、このように人里離れた所に住む人が、安全に、そして安心して暮らせるように守ってあげることが政治の仕事だと思い、初めての後援会の集まりの時、お話しました。

 今でこそ、行政用語としても、また、政治家の挨拶の中にも、「安心・安全」と言う言葉はごく普通に当たり前のように使われていますが、当時はまだ誰も使っていませんでした。県において「地域安心安全推進室」ができたのは、その2-3年後です。

 この原点となった「クマと柿とミツバチ」の話は、今もなお、私の頭から離れず、「その人がその人らしく、住み慣れた地域で暮らしていくことを守る」という県の高齢者施策のフレーズを聞くたびに、ご夫婦の姿を思い出します。

 鳥獣被害対策においても、このご夫婦の言葉を念頭に、ルール改正を県と進めるなど、私の活動の原点となっています。
2010-10-11 ツキノワグマ対策について

 今回の山開きの時にも、こちらのお宅の前を通りました。3年前にご主人が亡くなられたことは伺っていましたが、奥様はお元気だろうかと思い、帰りに寄ってみました。

 家の前の花壇にはきれいなお花が咲いており、周りの畑には野菜が植えてありますので、どなたかが管理されているようです。ただ玄関にはカギがかかり、カーテンも閉まったままです・・・。

 ミツバチの巣を探しましたが、ミツバチの巣があった木はなくなっていました。気になりながら・・・家を後にしました。


***参考***

 ツキノワグマは山口県のレッドデータブックに「絶滅の恐れがある生物」として指定されています。

 山口県では、捕獲された場合、一度目は、耳たぶにタグをつけ、鼻にトウガラシスプレーをかけて、奥山に放す「学習放獣」をします。耳のタグで識別し、二度目に捕獲された場合は、即、殺処分します。

 しかし、クマが異常なほど出没している近年のこの状況で、この原則通りでは、住民の不安は解消できません。
「りっちゃん、頼む!せっかく、捕まえたのだから、一度目でも放さないで、すぐに殺して欲しい
と悲痛な声で電話がかかってきますので、県に、この声を届け、対応を変えて貰いました。

 その結果、「特定の地区での出没や捕獲が相次ぐ場合などにおいては、地域住民の不安の解消に充分配慮し、人身被害防止を最優先として適切に対応していく
ことと決定されました。
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ふじいりつ子

Author:ふじいりつ子
山口県議会議員

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